先日来からの大雨により、西日本を中心に甚大な被害が発生している。被災されたすべての方がたに心よりお見舞い申し上げます。
書きたいトピックは山積みなれど、どうしても筆をとる気になれなかった。こんなときに決まって思い浮かぶのが、ザ・イエロー・モンキーというバンドの1999年のヒット曲、『JAM』の次の一節だ。
外国で飛行機が墜ちました
ニュースキャスターは嬉しそうに
「乗客に日本人はいませんでした」
「いませんでした」
「いませんでした」
僕は何を思えばいいんだろう
僕は何て言えばいいんだろう
こんな夜は逢いたくて
逢いたくて
逢いたくて
君に逢いたくて
君に逢いたくて
また明日を待ってる
被害があった地域の悲痛な声を横目に、今日もネット上では脳天気なコンテンツが大量生産されている。テレビは無邪気にバラエティ番組を垂れ流し続けている。こうゆう事態に直面するたび思うのは、人間というのはとめどなく利己的で、本質的に理解し合うことができない生き物だってことだ。
と、同時に。だからこそ、したたかに、そして切実に生きることができる「強さ」を秘めた生き物でもある。陳腐で月並みな引用かもしれんけど。やっぱり被災地にはあの偉大な詩人の、この詩を贈りたい。
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
-宮沢賢治『雨ニモマケズ』より