近未来航法

予測不能な現代社会を生き抜く知的サバイバル術

身体論

人は「言葉」を獲得するために旅をする

人は旅をする。だが、その旅はどこかに在るものではない。旅は旅をする人が作るものだ。 紀行文学の金字塔『深夜特急』の誕生前夜からその後まで、生成変化の<旅>論を収めた『旅する力』の序章で沢木耕太郎が語っている言葉だ。沢木によると、だいたい26歳前…

心身を開放し、あるがままの人生を歩む!禅の呼吸法

先日、縁あって成田山新勝寺で座禅体験をしてきた。座禅というのは所謂、禅宗と呼ばれる曹洞宗、臨済宗のもので、新勝寺は真言宗だ。真言宗の座禅を「密教座禅」といい、普段は臨済式の座禅を実践している俺もはじめての体験だった。 どういう違いがあるのか…

運命学の運命 ~古の記憶と暦に生きよ~

古代中国では「運命学」という体系だった占術を学問の一つとして扱い、帝王学としても重用していた。『予知』とは五感、五知、四時を用いて、三界に現われる有形、の事象を知る力をいう。『予測』とは五知、四時を用いて、三界に現われる有形の現象を計る技…

“覚悟”のすゝめ 〜直感と決断で現状を打破せよ!〜

人は惰性で生きる。変化を嫌うものだ。しかし、時に焦燥感に駆られ、冒険に繰り出そうとする。または不意に今の環境から抜け出し、まったく違う土俵の上に立ちたいと願うことさえある。しかし、多くの人が何も捨てることのないまま、今そのままの状態で、人…

柔術ビギナーが最初に取り組むべきことは何か? ~グレイシー的指導論~

他ではけっして語られないディープな柔術ネタを、会員限定で配信中!↓ www.sandinista.xyz グレイシー柔術には体系化されているものだけで600以上の技術が存在し、現代ブラジリアン柔術には1000を超える技があるとされ、今なお日進月歩で新たな技が更新され…

神秘の力が宿る!禅の茶法

以前に『“禅”的ライフスタイルで取り戻す本当の生き方』という記事で、内観の手段として寝る前に温かいお茶を飲む時間を持つことの重要性を書いたことがある。それは俺自身が生活のなかで実践し続けていることで、禅の考え方にインスパイアされたもっとも効…

卓越者が視る風景 〜主観を捨てよ!〜

過日、柔術道場の先輩から興味深い話を聴いた。曰く、かつて同じ道場に在籍していたブラジリアン柔術の達人ともいえるトップ選手の一人*1 が、試合やスパーリングなどで自分と相手の動きを俯瞰して見ることができるのだと言う。ん?自分と相手の動きを俯瞰?…

柔術的思考法 ~人生で大切なことはすべてグレイシーが教えてくれた〜

「グレイシー柔術を学ぶと性格が変わる」… 俄に信じがたい風説が、海外ではまことしやかに囁かれている。俺自身も文献や資料などを渉猟してグレイシー柔術(※ブラジリアン柔術ではない)を研究するうち、その発想の見事さにすっかり魅了され、それまでの柔術…

自分だけの“龍”をまとい、そして武装せよ

「龍を見たことがあるんだ」。刺絡を施術してもらっている鍼灸院の医院長が突然云った。この医院長、当ブログにも度々登場してくるスピリチュアルなツワモノで、いつも興味深い話を聞かせてくれるのだ。その龍が写真に写っているということで、件の写真を見…

心と身体が浄化する禅の食事法 ~グレイシーダイエットRemix~

ここ十年のあいだに自分自身の境遇には驚くほど大きな変化があった。企業人としての成功、そして起業、精神疾患、経済社会からの逃避、運命的な出会い、経済人としての再起、柔術との邂逅…。波乱万丈と云ってしまえば些か陶酔的だが、目まぐるしく変わる環境…

混迷の時代に「術」を求めて

Hey Guys!新年、楽しんでますか?昨年と同様に、ゆるりと年始を過ごしてのブログ事始め。俺はいわゆる前厄の御年とも相成り、年始早々にその災禍と思しき難を嫌というほど被ったことで、入念に邪気と穢れを祓うべく名だたる霊場を巡礼したりした。 そういっ…

ヘンリー・エイキンスから読み解く、インビジブル柔術【解明篇】

シーザーを理解するためにシーザーである必要はない -マックス・ウェーバー 『理解社会学のカテゴリー』より (映画『イノセンス』から引用) 20世紀を代表する知の巨人マックス・ウェーバーが物事の理解には、行為自体を解釈する現実的理解と、行為の意味…

ヘンリー・エイキンスから読み解く、インビジブル柔術【入門篇】

他ではけっして語られないディープな柔術ネタを、会員限定で配信中!↓ www.sandinista.xyz ヒクソン・グレイシーという男に興味があった。柔術をはじめるなら、少しでもヒクソンに近づきたい。そう考えてもいた。結果的にエリオの系統ではなく、カーロスの本…

半径5キロメートルの聖地巡礼

武術をやっていると何か別の力に突き動かされていると感じる時がある。それはあたかも経験したことのない技を、まるで知っていたかのように繰り出すことができたり、自然に理に適った動きが実践されていたり。俺の場合やればやるほどに、何か“見えない力”が…

クローズドガード進化論 ~ブラジリアン柔術の魂を蘇らせよ~

他ではけっして語られないディープな柔術ネタを、会員限定で配信中!↓ www.sandinista.xyz みんな大好き解析動画を索きながら、柔術の技術解説と考察を試みようと思う。 先日、米国のコンテンツ販売サイトBJJ Fanaticsで衝撃的な記事を目にした。「クローズ…

想像力の時代 ~ブログ3年目を迎えるにあたって~

このブログも足掛け2年(半年ほどの中抜けがある)が過ぎ、3年目に突入する。よくもまあ、三日坊主な俺がここまでコンスタントに書き続けてるよなって印象だ。年末年始を前にして早くも総括かよってとこはあるのだが、ひとつの節目なのは確かな話で。執筆者…

“動き”が理に適うとき ~右脳型柔術家と左脳型柔術家の発見~

他ではけっして語られないディープな柔術ネタを、会員限定で配信中!↓ www.sandinista.xyz このほど、ちょっとした不思議な体験をした。ブラジリアン柔術にはボトム(ガードポジション)からトップへと形勢を逆転させる“スイープ”という技が存在する。一口に…

『グレイシー柔術』を理解するための本10冊+α

ブラジリアン柔術をより深く、より精緻に理解するためには、その源流であるグレイシー柔術の研究や探求を欠かすことができない。しかし意外にも、グレイシー柔術を知るための手がかりとなる文献は決して多くはないのが現実だ。 そこで今回は俺がグレイシー柔…

天翔“技”閃(あまかけるわざのひらめき) ~「技術」の考察~

撮りためていたテレビ番組を見て、驚愕した。*1 7月に放送された『情熱大陸』の魚店店主・前田尚毅氏の回だったのだが、なんと…テレビカメラの前で「脱水」がおこなわれているではないか。 「脱水」とは鮮魚の水分量を調整することで食感を引き締め、旨味を…

霊性と情熱のあいだ ~映画は『森』をどう描いたか~

久しぶりに映画を観た。数年前までは単館系の映画を中心によく観ていたのだが、最近はめっきり映像作品から刺激を受けることが少なくなり、映画館から足が遠のいていた。そんな折、河瀨直美の新作が上映されているという話を聞きつけネットで調べてみたら妙…

集中力を極限まで高めるメディテーションBGM5選

社会生活を営むうえで誰にも極度の集中力を必要とするシチュエーションというのがある。それはたとえば就・転職の面接だったり、商談、高所作業、作品制作、舞台挨拶、プロポーズ…など例示の枚挙にいとまがない。そんなとき、人はどのようにして緊張を解きほ…

“禅”的ライフスタイルで取り戻す本当の生き方

禅の世界観に感銘を受けて、ライフスタイルとして実践を生活に取り入れていることは以前の記事でも書いた。今でこそマインドフルネスやミニマリズム、シンプルライフといったキーワードが隆盛をきわめ、ストレス社会を生きるビジネスパーソンを中心に注目を…

グレイシー柔術考 ~セルフディフェンスの美学~

ものには順序がある。本稿は連載2回目の記事ゆえ、ここに不時着された御仁は1回目からお読みになられよ。 ↓ www.sandinista.xyz グレイシー柔術の真の姿に迫るためにその成り立ちを検証しつつ、大胆な仮説を代入することで欠落部分を埋めながら軌跡を辿って…

グレイシー・ジャーニー ~グレイシー柔術の未知なる世界~

他ではけっして語られないディープな柔術ネタを、会員限定で配信中!↓ www.sandinista.xyz 現在、ブラジリアン柔術として普及している競技柔術は本当にグレイシー柔術の延長線上にあるものなのだろうか?ふと、そんな疑問にかられることがある。もちろんグレ…

戦略考

おなじ1冊の本が、人生の転機でまったく違う読み方になるってことがある。それは多くの場合が“古典”といわれるもので、知識と経験の蓄積によって獲得した、ある種のフィルターをとおすことで、まるで立体かのように違った角度から読めてしまうのだ。 まさに…

禅と武術の果て ~呼吸を巡る身体的考察~

禅仏教の思想は徹底してパンクだ。なんたって真理が「空(くう)」であるとするなら、その原理論に内在する「空」性は帰納的に証明することはできない。真理は知性的に「無い」のだ。まるで、公理可能な理論に矛盾性がなければ証明も反証もできない命題が存…

日常の<入力>と<出力>

決まった周期、決まったペースで、まとまった文章量で、何年も飽くことなくブログ記事を生成し続けてる人ってすげえなって思う。マジで尊敬するよ。いや、厭味なんか無しにしてさ。だって、コンスタントに記事をアウトプットできるってことは。頭ん中のバー…

視覚言語をめぐる冒険

アート(芸術)としての写真の見方というものを『写真鑑賞論』と題して連載してるんだけど。それとは別シリーズとなるであろうこの記事は、その根本となるべき「鑑賞者の身体論」とでもいうべきものを言語化してみたいという試みの序章である。 www.sandinis…

“井穴刺絡”の神秘

いつだったか、いわゆる自律神経の疾患を患って不眠症になったことがあった。心療内科に通ったりしてなんとか元の体質に戻すことができたのだが、その時から「休息法」が俺にとって大きな課題になった。 自律神経というのは交感神経と副交感神経という2つの…