近未来航法

予測不能な現代社会を生き抜く知的サバイバル術

自虐的な、余りに自虐的な…自己ベスト

実はこの記事で、ちょうど壱百記事目になる。これを読んでるあんたも縁起がいいね。文字数にして単行本で参冊分、約三年間の集大成だ。一見してなんの脈絡もないことを書き連ねているように思えるが、それなりに筋のとおった話材を提供しているつもりだ。一切の手抜きをすることなく、考えたことを全身全霊でリアルタイムに吐き出し続けている。何について書いているのかと問われれば、自明のように人生という名のサバイバルについて、と答えることにしてゐる。

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柔術クラスタの御仁からは格闘技について専門的に書いて欲しいなんて要望もちらほら云われるが、そんなのは真っ平御免だね。格闘技のことしか語れないような、薄っぺらい生き方してないからさ。たしかに柔術みたく知性を擽られるエレガントな身体感覚を、今まで経験したことはないんだけど。それ以上に世界は広く、不可思議なものだ。やっぱり気の赴く儘に自分が見たもの、思いついたことを唯々淡々と書いていたい。あくまでこのブログは、生きる上でのささやかな知恵と戦略、そして美学を扱い続けていく。俺の文章を読んで、行動する前から諦めちまってるような奴はブラウザで「戻る」を押してくれ。

 

とくに壱百記事だとてお目出度いこともなく、粛々と書き続け、そしていつの日か不意に執筆意欲が喪われるわけだけども。節目の集大成として、自分の断片的な思考の集積から自己ベストと考えるコンテンツをここにピックアップしておきたいと思ふ。筆者の意図に反して意外に読まれていないというと些か自虐的ではあるが、流石に総記事数が三桁ともなると、特定の記事を引っ張り出してくるのも骨が折れるだろうし、新たに興味を持ってくれた御贔屓さんにはJitz. LIFESTYLEの入門篇としてガイドラインにもなろう。奇想天外で濃密な“術”の世界を、とくとご堪能あれ。

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混迷の時代に「術」を求めて

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【自虐的な、余りに自虐的な…解題】

先日、自らの世界観をつくった方がいいという記事を書いた。Jitz(術)による生き方(Lifestyle)を標榜したこのブログ名を紐解き、道でも技でもなくして今、何故に“術”なのか。“術”とは何なのか。俺がこのブログをとおして実現したい世界観を展開し、啓蒙を促したのがこの記事だ。世の中が戦略だとか崇高な理念、ビジョンといった大上段な構えばかりを有難がって、精妙な世界の追究がおろそかになってはいまいか。そんな危機意識から筆を執った。人が術をかける瞬間、そこには一瞬のことではあるが何か人間業を離れた神妙な、何者かの力が作用しているようにも思える。卓越した術は異界と現世を隔てる時空をあやふやなものにし、ときに奇跡にも等しい所業を人にあたえてくれるものなのだ。

 

クロン・グレイシーにみる“武術”と“芸術”の関係

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【自虐的な、余りに自虐的な…解題】

つい最近の記事。気の赴く儘に書いているのだが、俺というフィルタをとおして映し出された事象は、すべて根底では同じ問題意識で繋がっている。武術と芸術という、一見相反しがちな価値観も実は繋がっているんだということを、なんとか蒙昧な格闘クラスタの御仁に解ってもらいたいというのが、このブログが抱える命題の一つでもあった。だが語彙力の不足もあってか、なかなか上手く言語化できないでいた。今年こそはこの2つの知を結びつけるものを書かなくては…と思っていた矢先、クロン・グレイシーという稀代の武術家のUFC初参戦を受けて、必然かの如く突如として有機的に結びついたのだ。まさに、これぞシンクロニシティ!この記事を書き上げたことで、俺の2019年の使命は早くも終わったと考えている。

 

 

愛しさとせつなさとくだらなさと ~ちびまる子ちゃんの同時代性とアナーキズム~

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【自虐的な、余りに自虐的な…解題】

もう15年近く前のこと。ビジネス系のブログを書いていた時に『ヒットの法則』と題して、日経MJ紙が毎年末に発表しているヒット商品番付をトレンド分析したものが、当時の人気コンテンツだった。そんな昔の血が騒いだのか。ちょうど、さくらももこの訃報を知り、さくらという漫画家のヒット要因を分析してみたくなった。ちなみに俺は、先に結論を導くことなく記事を書きはじめるスタイルを取っている。この記事に関しては、一旦書き出したが最後、見事にどんどん深みにはまってしまい、結果、行き着いた結論がさくらももこはアナーキストで、パンクであるということだった。が、驚くことに俺の知るかぎりでは、彼女に関するそんな批評や評論は見たことがなく、おもしろい視点ではないかと思っている。

 

◯◯に修行は必要か? ~ホリエモン的なものへの回答~

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【自虐的な、余りに自虐的な…解題】

西洋的価値観に支配された現代は、とかく効率を求め過ぎている。一見して無駄と思えることの中に物事の本質があると考えるのが東洋文化ではなかったろうか。俺自身が東洋的な価値観の重要性を認識するようになったのは、少なからず内田樹の影響がある。そんな内田の言葉を援用して、過度な西洋的合理主義者の象徴といえるホリエモンに挑戦状を叩きつけたのが本記事だ。かく云う俺自身も若かりし頃は、ヒルズ族なんかに憧れてどっぷり西洋的な価値観に浸かっていた。流行りのマーケティング理論やビジネストレンドに飛びつく類いの人間だったが、様々な経験を経てきた結果、そういったもののなかに人間や自然に対する深い洞察や愛がないことを痛感した。つまるところ、ビジネスも料理も大事なのは愛なんですよ!

 

戦略考

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【自虐的な、余りに自虐的な…解題】

今思えば、俺が描く世界観を決定づけたのはこの記事だったかもしれない。2018年初頭に読んだ一冊の本をきっかけにして、それまで朧げながらに抱いていたイメージがすべて繋がった。人生のバイブルとして愛読していた孫子の兵法の読み解き方が一変したのだ。優れた古典はどのような読み方も出来てしまう重層的なものだが、この気付きを得てから一気に中国古典の味わい方に深みが増した。地球の真裏のブラジルでも、かのグレイシー柔術の宗家でも孫子を愛読するファイターは、ヒクソンやホイラーなど少なくない。現代中国からは想像のつかない、古代中国の三千年の叡智には只々敬服させられる。今後は“三玄の書”と呼ばれる「老子道徳経」、「荘子」、「易経」についても、精力的に解読していきたいと思っている。

 

まとめ

ここにこうして一片の記事が編まれ、俺というネットの暗部に蠢めく者の思考の軌跡を収める。これはいうなれば、じわじわと効いてくる「絞め技」のハイライト集だ。願わくば、人生という名の喧嘩で勝負し続ける読者が、心して頁を捲られんことを。

 

いつもありがとね、感謝。

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