近未来航法

予測不能な現代社会を生き抜く知的サバイバル術

折り返し地点の「迷い」と「決断」、その先にあるもの

「はてなブログ」というWebサービスを利用して日々このブログを書いているのだが、毎週更新の「お題」というネタの共有機能があって、誰でも乗っかることができる。そんな企画に、はじめて乗っかってみた。

 

お題は「迷い」と「決断」。人生の本質を突いた、いいお題ではないか。自分自身も30代は本当に色々あって、様々な迷いと決断に迫られた。だからこそ、今見えている景色を書いておこうと思った。おなじように、人生も折り返しに差し掛かった人たちに捧ぐ人生応援挽歌。

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なんてったって、人は“考える葦”だから。どんな境遇の人にも等しく「迷い」と「決断」の積み重ねの果てに今があるし、これから先も少なからず「迷い」と「決断」は存在し続ける。そして、多くの人にとっての迷いの根源となるのが「仕事」にまつわることだろう。おそらく、このお題について書かれた他のブログの多くもまた、仕事と自分の人生のかかわりについて言及されたものだと推測できる。人間にとって「仕事」とは何なのだろうか。

 

生きるための手段、人生の目的、自己実現の方法、社会貢献など…それこそ、人それぞれの「仕事」に対する考え方や矜持が存在する。それを一様に定義することなど不可能だ。若者はいつの時代だって自分の存在意義について悩むものだし、とくに昨今では社会との接点を断った中高年による引きこもりが深刻化している。こんな時代だからこそ、自分にとっての仕事というものを、今一度考えてみることが重要なのだ。

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この問題を突き詰めていくと、必ずと云っていい命題にブチ当たる。人は何のために生きるのか、と。ネガティブに考え出すと悲観することしか出来ず、社会はとにかくポジティブであることを強要する。そして多くの成功哲学や自己啓発は、自分に崇高なミッション(使命)を掲げることを求める。しかし迷える名も無き者にとっての「ミッション」とは、いくら思考は現実化すると言われても、実感に乏しい遠いものでしかない。

 

誰かのために人生を捧げたい、誰かの役に立ちたいという思いは、誰もが潜在的に共通して持つ願いみたいなものだ。自分を取り巻く人々を幸福にしたい、自分が生きた証として何かを残したい。心の底のどっかでは必ずそうした思いを持ち続けている。しかし自分自身が生きていくことに精一杯になり、自らの無力さを知ると、そうした思いを次第に忘れてしまう。社会に出て様々なストレスに晒されると、人との関わりまで希薄化して、人間は歳を重ねるごとに自分の価値観の外から出ようとしなくなる。

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ところがある瞬間に、人の意識は鮮やかに変化する。それはいつ訪れるとも知れない、夜と霧のように。起点になるのは、自分のことではない誰かの人生を想うとき。守るべきもの、大切にすべきものが自分の外に見つかったとき。不意にかつて抱いていた気持ちを思い出し、利己心を捨て、自分ではない他者のために生きる決断をしたとき、はじめて見える景色がある。その景色によって、それまで持っていたその人にとっての「仕事」の意味合いが大きく変わる。生きる意味、働く目的がほんのちょっと自分に歩みよる瞬間。

 

人の意識が変わる、または変わろうと決断するときというのは、いつだって新たな出会いに導かれたときだ。自分ではない他者との出会いが、自分を変えるべき必然性を運んでくる。翻って云うと、人と出会わなければ成長も失敗もない。人との関わりがなければ、人生に前進も後退もない。お決まりの場所で、いつものメンツ。そういう関係性も素敵なことだけど、やはり新たな出会いに勝る刺激はない。人が新たなことに挑戦するのは、新たな人と出会うということでもあるのだ。

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最近こう思うようになった。取り返しのつかない決断なんてものはない。何かをはじめるのに年齢的に遅すぎた、なんてこともない。人間、いつでもなりたい自分になれるものだ、とね。過去を悔いることには意味がない。何かを悔いるのなら、今からやり直せばいい。失ったものは取り戻せばいい。人は過去に戻ることはできないけれど、回数無制限で未来を上書きすることができる。何度、失敗したっていいじゃないか。重要なのは、決断すること。自分の人生は決断し、行動することでしか未来を切り拓けない。

 

立ちどまることなく、迷いの霧を

犀の角のようにただ独り歩め。

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