近未来航法

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焼き鳥巡礼 ~誰もがうなる店:横浜編~

このブログの中にあって、ひそかな人気企画となっている『焼き鳥』巡礼。ついに関西を飛び出し、横浜一の焼き鳥の名店と謳われる「里葉亭(りばてい)」に行ってきた。実は味わってみたい本命のお店が他にあったのだが、まずは当地でも随一といわれる由縁を探るべく、人気の高級店であることを泣く泣く承知で、1ヶ月以上も前から予約を入れてこの日を待っていたのだ。

 

ネットを見まわしてみても、そこかしこに「感動」の文字。某グルメサイトで全国2位なんてことも書いてあった。横浜には少なからぬ地縁があるのだが、関東在住時も活動範囲はほとんど都心だったので、焼き鳥マニアとしてはほぼ未開拓の地といえる。しかしながら、そんな横浜のディープゾーン福富町にあって、90年以上も地元民の寵愛を一心に集めるお店として名を馳せるこのお店に、行ってみないわけにはいかなかった。

 

実際にお店に伺ってみると、こじんまりとした佇まいながらどこかレトロで、そしてミニマルに焼き鳥屋のイメージを覆さない。それでいて、焼き台を主役にした劇舞台といった趣きもある。メニューは基本的におまかせのコースのみ。オーダーストップするまでは料理が出続けるというシステムらしい。そんな潔さはその日の仕入れの状況によって緻密に考えられたメニュー構成なのだろう。関西と関東とで焼き鳥の文化に違いがあると考えたことがなかったが、里葉亭の焼き台はあきらかに火力が強い。

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焼き手も繊細な手つき、というよりは豪放に火入れをしながら絶妙なタイミングで串を返している。あきらかに(鶏にかぎらず)肉の扱いに長けた職人技だ。おそらくお店側の意図としても、「肉を食らう」感覚を大事にしているのだろう。鶏・牛を巧みに織り交ぜて、こだわりの極上食材をうまく一つの協奏曲のようにまとめることに成功している。なるほど、がっつり好きな肉愛好家に大受けするわけだ。

 

技巧を凝らすというよりも全国の最高の食材を最高のタイミングで仕上げるべく、新鮮さを前面に押し出し、余計な味付けや仕事が一切ない。ねっとりとしたレア感を残しながらも、外は香ばしいまでにしっかり焼き上げられ、パリッとした外側の食感が奏功して、なんともいえぬ絶妙さがすべての串に存在しているのだ。ひとつひとつの串がメインと云われても納得できる、圧倒的な存在感とクオリティ。まさに王道の名に相応しい。

 

これ以上、語るのも無粋というものだろう。陳腐な言葉なんかよりも、是非その舌で味わってみるがよろし。


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